三菱ケミカルホールディングス(4188)は、身の回りの様々な製品づくりに使われる「機能商品」、炭素繊維などの「素材」、医薬事業向け製品を扱う「ヘルスケア」の3分野で事業を展開しています。
このページでは三菱ケミカルホールディングスの配当利回り・PER・PBR・配当性向・自己資本比率・事業の将来性など分析していきたいと思います。

三菱ケミカルホールディングスの過去2年の株価の推移
三菱ケミカルホールディングスの株価の推移です。
720円をウロチョロ。
三菱ケミカルホールディングスの配当利回り・配当性向・PER・PBR・ROE・ROA・自己資本比率
配当利回り(総合利回り):5.56%
配当利回り(%)=配当(円)÷株価(円)×100
配当利回りとは、購入した株価に対し、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値です。
総合利回りとは「配当金+株主優待」を計算し、投資額に対するリターンがどのくらいあるかの割合です。

株主優待はありません。
配当性向:約33.6%
配当性向は33.6%。
配当性向(%)=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
配当性向(EPS)とは利益を株の総数で割ることで1株あたりの利益を算出したものです。

100%を超えると利益が出ていないにもかかわらず配当を出しているということになります。
PER:6.20
PER=株価 ÷ 一株あたり利益(=EPS)
PERは、株価が1株当たりの利益の何倍になっているのかを表したもので、数字が大きければ割高、数字が小さければ割安です。

PBR:0.75
PBR(倍) = 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS)
PBR(株価純資産倍率)は、1株あたりの純資産に対して、何倍の株価で株が買われているかを表しています。

PBRを見れば、会社の資産に対して株価が高いか安いかを判断できます。
ROE:12.7%
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
ROEは利益を株主資本で割った数字で、株主のお金でいかに効率的に利益を上げているかを示す指標で10%以上が優良とされています。
ROA:3.0%
ROA(%) = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100
ROAは総資産に対してどれだけの利益が生み出されたのかを示す指標です。

ROAが高いほど、効率的に利益を生み出せている会社であると言えますが、借金まみれということもあるので「ROAが高いから問題がない」とは限りません。
補足 ROEとROAの違い
意味 | ||
ROE | 自己資本比率 | 株主から預かったお金でどれだけ利益を出しているか |
ROA | 総資本利益率 | すべての資産でどれだけ利益を出しているか(借金も含む) |
自己資本比率:24.7%
自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)
自己資本比率とは、返済不要の自己資本が全体の資本調達の何%あるかを示す数値です。
自己資本比率が高いほど経営は安定し、倒産しにくい会社となります。
自己資本比率は会社経営の安定性を表す数値であり、高いほどよいとされています。
競合他社と比較
*横にスクロールできます。
配当利回り | 配当性向 | PER | PBR | ROE | ROA | 自己資本比率 | |
4188 三菱ケミカルホールディングス |
5.56% | 約33.6% | 6.20 | 0.75 | 12.7% | 3.0% | 24.7% |
3407 旭化成 |
3.13% | 32.2% | 9.03 | 0.97 | 11.1% | 5.7% | 53.6% |
4005 住友化学 |
4.55% | 約30.5% | 7.56 | 0.75 | 12.3% | 3.7% | 31.5% |
4183 三井化学 |
4.15% | 約25.9% | 5.88 | 0.81 | 14.3% | 5.1% | 36.8% |
時価総額を比較
三菱ケミカルホールディングス:10,828億円
旭化成:16,151億円
住友化学:7995億円
三井化学:4932億円
三菱ケミカルホールディングスの売上高・営業利益・経常利益・純利益の推移
業績から稼ぐ力(営業利益率)を見ていきます。
*営業利益率=営業利益÷売上高×100
一般的には7%、10%あれば優良企業と判断できます。
15.3 約4.5%
16.3 約7.3%
17.3 約8.0%
18.3 約9.6%
19.3 約7.6%
20.3予 約7.4%
21.3予 約7.6%
過去5年の株価と営業利益率の相関関係も見ましょう。
三菱ケミカルホールディングスの財務・キャッシュフロー2019
三菱ケミカルホールディングスの財務状況
総資産:5兆5725億0800万円
自己資本:1兆3779億4700万円
自己資本比率:24.7%
資本金:500億円
利益余剰金:1兆0738億7300万円
有利子負債:2兆2467億5100万円

三菱ケミカルホールディングスのキャッシュフロー
キャッシュフロー計算書は、企業のお金の流れがわかる財務表で、いま健全に経営ができているか判断できます。
・営業キャッシュフロー
・投資キャッシュフロー
・財務キャッシュフロー
と3つの指標があります。
()内は前年度。
営業キャッシュフロー 4155億円
営業キャッシュフローとは本業の利益です。この項目がプラスということは本業が順調だと判断できます。
マイナスだと本業が苦しいということになります。
投資キャッシュフロー ー8950億円
投資キャッシュフローですが、主に固定資産の取得や売却した金額です。

固定資産が増えれば投資キャッシュフローはマイナス、固定資産が減れば投資キャッシュフローはプラスになる関係です。
固定資産を取得すると会社の資金が出ていき、投資キャッシュフローはマイナスの値となりますが、所持していた固定資産を売却すると現金が入り、投資キャッシュフローはプラスの値となります。
優良企業は積極的に投資をしていくのでマイナスになることが多い項目です。
財務キャッシュフロー 5190億円
営業活動や投資活動のために資金が調達または返済された額です。
借金を返済したり自社株買いをするとマイナスになります。
反対に、借金をしたり社債などで資金調達するとプラスになります。
現金等 3215億円
現金等(現金同等物)とは、「現金」と「換金性の高い資産」を合わせたものをいいます。
換金性の高い資産とは、3ヶ月以内に現金に変えることができる資産であり、価値がほとんど変動しない資産です。

実際に企業が金庫に現金を持っているケースは少なく、現金のほとんどは預金資産で、「現金等=現金」と考えて問題ありません。
ただし、「3ヶ月以内に現金に変えることができる資産」という条件があることから、「6ヶ月の定期預金」は現金同等物に含めることができません。
一見手持ちの現金が少ないように見えて、実は6ヶ月以上の長期定期預金にかなりの現金を預けていた。ということもあるのです。
補足 フリーキャッシュフロー -4795億円
フリーキャッシュフローとは会社が自由に使えるキャッシュのことで、キャッシュフロー計算書では大切な項目です。
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足して計算します。
4155-8950=-4795億円
三菱ケミカルホールディングスの直近の決算
2019/7/30に2020年3月期第1四半期の連結業績を発表。
売上高は9163億5700万円(前年同期比ー0.6%)
営業利益は698億7800万円(同ー24.9%)
純利益は378億4900万円(同ー32.2%)
となりました。
三菱ケミカルホールディングスの第1四半期の事業別業績
三菱ケミカルホールディングスの事業は大きく分けて
・機能商品
・ケミカルズ
・産業ガス
・ヘルスケア
とあります。
セグメント別に収益を詳しく見ていきましょう
機能商品の業績 -50億円
売上収益は前年同期に比べ135億円減少し2,726億円となり、コア営業利益は同50億円減少し195億円となりました。
機能部材サブセグメント
情電・ディスプレイ関連製品は概ね前年同期並みとなったものの、半導体及び自動車用途を中心に需要が減速。
また、高機能成形材料の高機能エンジニアリングプラスチックやアルミナ繊維等の販売数量が減少したことにより、売上収益は減少しました。
機能化学サブセグメント
高機能ポリマーのフェノール・ポリカーボネートチェーンにおいて、前期に実施した定期修理の影響が解消し、販売数量が増加したものの、前年同期に好調であった市況が下落したことにより、売上収益は減少しました。
当セグメントのコア営業利益は、高機能ポリマーのフェノール・ポリカーボネートチェーンにおける市況下落の影響等により、減少しました。
第二四半期に向けての予想:やや増益予想
ケミカルズの業績 -156億円
売上収益は前年同期に比べ278億円減少し2,873億円となり、コア営業利益は同156億円減少し206億円となりました
MMAサブセグメント
中国を中心に需要が弱含んで推移し、MMAモノマー等の市況が下落したことにより、売上収益は減少しました。
石化サブセグメント
原料価格の下落等に伴い販売価格が低下したものの、エチレンセンターの定期修理の影響が縮小したことにより販売数量が増加し、売上収益は前年同期並みとなりました。
炭素サブセグメント
コークス等の需要が堅調に推移し、売上収益は前年同期並みとなりました。
当セグメントのコア営業利益は、石化製品において定期修理の影響が縮小したことにより販売数量が増加したものの、MMAモノマー等の市況が下落したこと等により、減少しました。
第二四半期に向けての予想:変わりなし
産業ガスの業績 +78億円
売上収益は前年同期に比べ518億円増加し2,086億円となり、コア営業利益は同78億円増加し211億円となりました。
産業ガスは、前年下期に買収した欧州及び米国事業の業績を取り込んだことにより、売上収益、コア営業利益はともに増加しました。
第二四半期に向けての予想:やや増益予想
ヘルスケア -103億円
売上収益は前年同期に比べ75億円減少し1,079億円となり、コア営業利益は同103億円減少し93億円となりました。
医薬品において、国内医療用医薬品は重点品を中心に増加したものの、ロイヤリティ収入の減少等により、売上収益、コア営業利益ともに減少しました。
第二四半期に向けての予想:やや減益予想
三菱ケミカルホールディングスの配当・今後・将来性
2020年3月期第1四半期決算説明会によると、リーマンショック並みの何かしら大きな金融危機がない限り、今後も配当は減配することはないとおっしゃっています。
今後の売り上げは米中貿易摩擦による影響が大きいとのことです。
詳しく知りたい方は下記にリンクをはっておきます。
まとめ
三菱ケミカルホールディングスはやはり高利回りなのが魅力です。
1年半ほど株価が下がっており、少しは買っておきたい銘柄と位置付けております。
参考になれば幸いです。
あなたと私の資産が増えますように☆
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